■Rマスターシリンダーステー編
このRマスターシリンダーステーは、キレイなCB750FCに非常に大切に乗っている当店のお客様が、 RマスターシリンダーとRキャリパーをオーバーホールするついでに、Rマスターを現行車のモノに 交換したいというご要望で、単品製作にて作った物です。
ステーをステッププレートのウラ側に取り付けたかったのですが、ステッププレートをO&T製のモノに交換されていて、取り付け部の面が出ている部分がオモテ面にしか無かったため、オモテ側へのステーの取り付けとなりました。
各ボルト穴間の距離やオフセット量を採寸して、型紙にて切り出しの元になる『型』を作ってから作業に入ります。
使用するアルミ板は材質が『7N01』の厚みが『3ミリ厚』の板材を使用しました。
Rマスターステーは、足とはいえタッチにも剛性感が出なくなるのを懸念したのと、今回は軽く足にも当たる 『ヒールガード』的な役目も果たすので、しなりやたわみなどの出ないように、『6ミリ厚』の板材を使用しました。
材料に型紙を当てながら形をケガき、『バンドソー』という機械で材料を切り出していきます。
材料を切り出し終えたら、穴あけをする部分にポンチでマークを付け、ボール盤によって穴あけをします。より高い精度で取り付けができるように、ボルト穴がM6のボルトであれば『6,1φ』、M8であれば『8,1φ』という風に
ボルト径より+0,1φの大きさの穴を、下穴から順にあけていきます。
穴あけが終わったら、切り出した材料の側面と表面を仕上げていき、かつキレイな断面となるようにして、最後には角の面取りも行います。
今回のステーは足にも軽く当たるので、念のために画像の通り広めの面取りをした部分もあります。
そしてステーが出来上がったら、Rマスターをオフセットさせるための2個の『アルミカラー』を旋盤によって
製作していきます。
今回は長さが26ミリ長のカラーが必要だったので、材質はジュラルミンと呼ばれる『2017』の材料で、外径:16φ、内径:8,1φ、長さ26ミリのカラーとしました。少しでも軽くさせるのと、ちょっとおしゃれに見せるために、カラーの真ん中付近を3φ細くするウエスト加工も施してみました。
あとはステーの取り付けボルトにグリスを塗って正規のトルクで取り付けて、Rブレーキホースを組み付けて、 オイルのエア抜きと増し締め・各部の最終チェックなどをすれば作業完了です。
ちょっとしたステーでも、ほんの少しの追加工やアイディアで、見た目もイイ感じになる場合もありますよ!既製品のパーツなどでも、ちょっと手を加えてオリジナルっぽく加工などをしてみては!?